阪神ジュベナイルフィリーズで白毛馬初のGⅠ制覇を成し遂げ、注目を浴びたソダシが、それ以来4か月ぶりの実戦となった桜花賞（GⅠ）でも強さを存分に見せつけた。白毛馬初のクラシック制覇である。

ゲートから勢いよく飛び出したソダシは、ストゥーティを行かせてスッと好位に収まる。「形が決まってからは呼吸を整えて走ることができた」と鞍上の吉田隼人騎手。1000メートル通過56秒8という速いラップにも難なく対応し、内ラチ沿いにコーナーを駆け抜けていく。

そして直線。道中で位置取りを上げたメイケイエールからストゥーティが先頭を奪い返したものの、これをソダシはすぐさま交わし去っていく。「手応えは十分。周りを確認する余裕もあった」と吉田騎手が振り返る、自信たっぷりのスパートだ。

直後からフェアリーS1着のファインルージュ、クイーンC勝ち馬アカイトリノムスメが追う。さらに大外からは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、この日は1番人気に推されていたサトノレイナスが猛然と脚を伸ばしてきた。

だがソダシは怯まない。最後はサトノレイナスをクビ差振り切ってのゴール、デビュー5連勝を飾るとともに、1分31秒1のコースレコードも叩き出して、堂々“桜の女王”の称号を手に入れたのである。

「『話題性だけで、本当に強いのか？』という声を見返したかった」と吉田騎手。その願いを遂げる、完璧な勝利だ。

「思った以上に成長していたし、利口にケイバができている。先は無限大」

そんな吉田騎手の言葉を信じるなら、これからもこの白毛の女王は、目にも鮮やかな馬体をターフで躍動させてくれることだろう。

（谷川　善久）